辞書紹介 ジュニアクラウン中学英和・和英辞典 第13版

目次

はじめに

三省堂さんから発刊されている「ジュニアクラン中学英和・和英辞典 第13版」を紹介します。

約3年ぶりの改訂となります。

それにいても、2024年12月のほぼ同じ日にこちらの「ジュニアクラウン中学英和・和英辞典 第13版」とGakkenさんから発刊されている「ジュニア・アンカー中学英和・和英辞典 第8版」が発売されました。

出版業界のルールや慣習などは全く分からないのですが、中学生向けの辞書をけん引している2冊がほぼ同じ日に書店に並ぶってことあるんですかね!

偶然だったらすごいですし、話し合って決めているのであれば「純粋に競争しよう!」という意気込みというか配慮があって気持ちいいですね。

辞書の外観

外箱デザイン
辞書デザイン
見開きイメージ

まずパっと目に入ってくるのはシロクマのキャラクターですよね。

前回の第12版でも登場していたキャラクターですが、上の写真を見ていただければ分かるとおり、今回のシロクマさんはノリノリで踊っています(笑)

第7版の記事でも紹介していますが、このシロクマさんは名前などは分からなかったものの

シロクマには地球環境などグローバルな問題への関心を持ちつづけてほしいという願いがこめられています。

との記載がありました。

ご覧いただいたとおり、英和・和英辞典はグリーンを基調とした作りになっています。

ちなみに英和辞典は赤色、和英辞典は青色がベースになっています。

これは三省堂さんから発刊されている他の英和辞典、和英辞典に共通した特徴となっています。

辞書の概要

辞書名称ジュニアクラウン中学英和・和英辞典 第13版
見出数英和 約17,000項目
和英 約23,000項目
監修・編者田島 伸悟
出版社三省堂価格(税込)3,520円
発刊年月2025年1月総ページ数英和 794ページ
和英 612ページ
タテ×ヨコ18.7cm×13.8cm厚さ4.3cm
重さ848g色使いフルカラー
構成1ページに2列1列の文字数(日本語)23文字
カタカナ発音あり巻頭特集英和:Let’s speak in
English!
和英:日本を紹介など
表紙の裏面オンライン辞書の案内背表紙の裏面英語圏の地図
特徴・特集
(辞書内にある
 お役立ち情報等)
参考(英・和):文化的背景や英語使用時の注意点
会話(英・和):実用的な会話用例
文法ちょっとくわしく:注意すべき文法の解説
日本を紹介しよう(和英):日本文化を紹介する英文
カタカナ語(和英):英語圏では通じにくい表現
その他にも学習する上でのポイントが満載です!
付録(巻末)科目のことば(和英) 英会話ミニ辞典(和英) 不規則動詞変化表(英・和)
その他・ウェブ辞書あり

!!注意事項!!

今回発刊された「ジュニアクラウン 中学英和・和英辞典 第8版」ですが実際の中身を見てみますと、「ジュニアクラウン 中学英和辞典 第15版」「ジュニアクラウン 中学和英辞典 第12版 新装版」が1冊になったものです。

ここでご注意いただきたいのが和英辞典になります。

英和辞典に関しては今回の発刊にあたり第15版として、新たな版となっています。

つまり、新たな見出し語が追加されていたり、これまでとは内容が異なる部分もあります。

一方で和英辞典は「第12版 新装版」となっていますので、表紙などはこれまでと異なり新装されているものの辞書の中身としてはこれまでのものと比べても特に変更はありません。

もう少し分かりやすく説明しますと、今回、2025年1月付で新たに発刊された「ジュニアクラウン 中学英和・和英辞典 第13版」は「英和辞典 第15版」と「和英辞典 第12版 新装版」が1冊になったものです。

そして、3年前に発刊された「ジュニアクラウン 中学英和・和英辞典 第12版」は「英和辞典第14版」と「和英辞典 第12版」が1冊になったものとなっています。

和英辞典については「新装版」という名称が追加になっているものの、辞書としての中身には変更が無く、表紙などが変更されただけという点にご注意ください。(ただし、あくまで筆者が比較した限り。もしかしたら微細な変更点がある可能性もあります)

「英和辞典も和英辞典も新しくなったみたいだから、買い換えよう!!」と思ってしまうと、和英辞典については中身がほとんど同じじゃないかー!という事態になってしまいます。

ご注意くださいませ。

第12版との違いについて

まずは手元にある第12版と今回発刊された第13版を簡単に比較してみたいと思います!

なお、上で記載しているとおり和英辞典については特に変更がされていませんので、基本的には英和辞典に関する変更点を紹介します。

ページ数&重さ

英和辞典のページ数は800ぺージから794ページへと6ページだけ少なくなっています。

こちらの要因の1つとしては、巻末の特集が削除されてしまったことです。

前版では英和辞典の最後に品詞の説明、序数などについてまとめ記事があったのですが、今回からはそれが削除されているので、そのぶんページが少なくなっています。

一方で巻頭にある特集はページが増加しているので、その増減の結果として6ページ少なくなったということになります。

巻頭の特集は「英語での日常、発信」についての記載があり、とても良いと思うのですが、個人的には巻末の序数や長さ重さなどに関する記載も残しておいてほしかったなぁと感じています。

また、重さについても前版が861グラムであったのに対し、848グラムと13グラムの減量です。

これは単純に嬉しいですね!少しでも軽い方がありがたいので。

見出し語の追加

収録項目数17,000というのは前と変わっていません。

そのなかで単語の入れ替えなどがあったのかなと思い、ホームページやチラシを見てみると「新語も多数収録」との記載がありました!

しかし・・・、そこに紹介されている単語を前の版である「第12版」で調べてみたら、普通に掲載されていました。

チラシに出ている新語を収録というのは、この時代の中で比較的新しい語を収録していますよ!という意味のようです。

とすると、実際には見出し語の変更は特にないのでしょうか??

全てのページとはいきませんが、比較してみたところ数は多くないものの追加されている語がありました。

例えば「gift-wrap(プレゼント用に包装する)」といった単語が追加されていました。

しかし追加された語などはそこまで多くなさそうです。

掲載されている画像

各見出し語に対応した実写画像がこの辞書にはたくさん掲載されていますが、その多くの写真が新しいものに差し替えられていました。

より綺麗で鮮明な画像に変わっているものが多く、見ていて楽しい辞書になったなぁという感想です。

実写画像は変わりましたが、イラストはそのままのものが多いです。

中身をのぞいてみよう

以下の記載は以前に紹介した「第12版」とほぼほぼ同じ内容となっております。

辞書がそこまで大々的に劇的に変化することもないということで、ご容赦くださいませ。

もちろん、アップデートされているん点についてはしっかりと書き直しております。

では、いってみましょう!!

フルカラーは見やすい

本辞書は英和・和英ともにフルカラーで作られています。

これも中学生向けに堅苦しくならず、少しでも辞書を開きやすくするための配慮かなと思います。

やはり1色刷り、2色刷りの辞書と比べるとフルカラーというだけでも、かなり紙面が明るくなります。

そして、収録語数が絞られていることもあり、改行も多く、それだけでかなり見やすい印象です。

イラストや掲載されている写真なども全てフルカラーですので、イメージが頭に残りやすいですし、見ていて飽きません。

また、英和辞典では掲載されている見出し語について、発音しない語は「黙字(薄い文字)」で示されています。

例えば「through」という単語の発音は「スルー」ですが、辞書では発音しない部分である「gh」が薄い文字で書かれています。

実際に辞書を引いたときに発音まで気にすることが少ないかもしれませんが、文字が薄くなっていれば「おや?」と思うかもしれません。

お子さんにとっては嬉しい配慮ですね。

コラムがタメになる

英和辞典、和英辞典ともに非常に勉強になる「コラム(囲み記事)」がたくさん掲載されています。

英和辞典のコラム

英和辞典では【会話】【参考】【文法】【イメージ】【ポイント】などがあります。

  • 【会話】実践的な会話用例
  • 【参考】文化的な背景の解説など
  • 【文法】注意すべき文法の解説
  • 【イメージ】見出し単語に関するイメージ
  • 【ポイント】単語を使う上でのポイントとなる事項

これ以外にもコラム(囲み記事)がありますが、どこにコラムが掲載されているかは項目別に目次が出ていますので、それだけを拾って確認することもできます。

全ての囲み記事について目次があるというのは高評価です!!

和英辞典のコラム

和英辞典では【会話】【参考】【日本を紹介しよう】【文法・語法】【注意しよう】【カタカナ語】【使い分け】などがあります。

  • 【会話】日常会話
  • 【参考】英語を使うときの注意
  • 【日本を紹介しよう】日本文化の紹介
  • 【文法・語法】英作文のときのことばの使用上の注意
  • 【注意しよう】日本語と英語の発想のちがい
  • 【カタカナ語】英語圏で通じにくい日本でつくられた英語
  • 【使い分け】似通ったことばのちがい

和英辞典にもコラム別の目次がありますので、読みたいコラムだけを確認することも簡単にできますよ!

ウェブ辞書で発音も確認

「ジュニアクラウン中学英和・和英辞典 第13版」でも第12版と同じようにウェブ辞書「ことまな+」を使用することが可能です。

2024年12月16日時点ではまだ最新版には対応していないようですので、下に掲載している画像は第12版のものになりますが、音声の確認など勉強の足しになることは間違いナシです。

こちらの辞書を購入することでウェブ辞書「ことまな+」を使用することができます。

スマホやPCで辞書と同じ内容を確認することができ、音声によって単語の発音も学ぶことが可能です。

ウェブ辞書をPCでひらくと、このような画面になっています!

ジュニアクラウン中学英和
ジュニアクラウン中学和英

紙の辞書でも見やすいですが、ウェブ辞書もとても見やすいですね!

あえて要望を言わせてもらうとすれば、残念なのは、英和辞典と和英辞典を別々にしか検索できないことです。

英和辞典で調べ物をしたいとき、和英辞典で調べ物をしたいときはそれぞれのウェブ辞書を開かなければいけません。

また、英和辞典と和英辞典も連動はしていません。

例えば、和英辞典を調べて適切な単語が分かった場合に、そのまま英和辞典でその単語を調べることが出来ればいいなと思うのですが、そうした機能はありません。

そんなワガママを言ってしまいましたが、紙の辞書もウェブ辞書もとても使いやすいですよ!

どんな人にオススメ?

こちらの辞書のタイトルは「中学英和・和英」となっていますが、辞書の使い方等の説明を見ていると、対象とされているのは「小学生・中学生」のようです。

小学校の教科書に多く出てくる単語には「小」のマークが表示されていることからも、小学生も対象にした辞書であるようです。

一方で、私が個人的にこの辞書を見ていて思うのは、大人が何年ぶり、何十年ぶりに「さあ、英語の勉強をやりなおそう!」というときには手元にあってもいいかなと思います。

もちろんこちらの辞書1冊だけではTOEIC等の資格試験に対応するのは難しいですが、それでも知らない単語はたくさん出てきますし、基礎的な文法事項等もたくさん出てきます。

また、和英辞典は23,000項目もありますので、掲載されている日本語を言われても対応する英単語が出てこないというものもかなりあるのではないかと思います。

ある程度の勉強をされている場合には物足りないところもあるかもしれませんが、小・中学生用とハナから敬遠することなく、よかったらぜひ1度見てみてくださいね。

おわりに

三省堂から発刊されている「ジュニアクラウン中学英和・和英辞典」を紹介しました。

小学校からの英語学習も始まって、ジュニア向けの辞書もどんどん充実してきているのかなと思わせてくれますね。

高校生以上を対象にした学習用辞書と比べれ記載されている内容は少なくなってしまいますが、それでも基礎的な内容が分かりやすく書かれているのは大人にとっても非常に勉強になります。

用例なども比較的多く掲載されているので、大人のやり直し英語の最初の1冊に選んでみるのもアリですよ!

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