はじめに
小学館さんから発刊されている「プログレッシブ 中学英和・和英辞典 第2版」を紹介します。
2024年12月に発刊された最新刊で、2014年の2月から約10年ぶりの改訂となっています。
10年ぶりの改訂は嬉しいですね!
初版は2色刷りでしたが、今回はフルカラーになっての登場です。
パッと見た感じの感想ですが、この辞書かなりいいかもです!!
辞書の外観
初版と同じく外箱は黄色を基調としたデザインになっています。
しかし、初版と比べてかなりポップな仕上がりになっていますね!
ちなみに初版の外箱はこのようなイラストでした。
だいぶイメージが違います。
真面目な感じから、かなり明るい感じへのイメチェンですが、新しい方が手に取りやすく、勉強するにもワクワクさせてくれる気がしますね。
辞書デザインは白色ベースになっていて、外箱にも描かれているハンバーガーの具材に関する単語が印刷されています。
ここでなぜハンバーガーが選ばれたのかは調べてみたのですが、分かりませんでした💦
ちなみに英和辞典はドーナッツ、和英辞典はパフェが外箱に描かれていますよ!
また、見ていただければ分かるのですが、第2版ではペンギンがイメージキャラクターとしてあちこちに描かれています。
辞書の側面にもしっかりとこのとおりペンギンちゃんが出現しています。
中学生の男の子が持ち歩く場合には「ちょっと恥ずかしいなぁ・・」と感じてしまうことがあるかもしれません。
いまのところペンギンちゃんが描かれていない硬派なバージョンなどは出ていなそうです。
辞書の概要
辞書名称 | プログレッシブ 中学英和・和英辞典 第2版 | ||
見出数 | 英和 約18,300項目 和英 約20,400項目 | 監修・編者 | 吉田 研作 |
出版社 | 小学館 | 価格(税込) | 3,630円 |
発刊年月 | 2024年12月 | 総ページ数 | 英和 799ページ 和英 735ページ |
タテ×ヨコ | 18.5cm×13.5cm | 厚さ | 3.7cm |
重さ | 840g | 色使い | フルカラー |
構成 | 1ページに2列 | 1列の文字数(日本語) | 21文字 |
カタカナ発音 | あり | 巻頭特集 | 英和:英語は世界のとびらを開くカギ 和英:日本を英語で紹介しよう |
表紙の裏面 | 地図(アメリカ・カナダ) | 背表紙の裏面 | 地図(その他英語圏) |
(辞書内にある お役立ち情報等) | 特徴・特集これ、知ってる?(英・和):英語圏の文化や生活習慣を解説 話してみよう!(英・和):覚えておくと便利な会話表現を紹介 くらべてみよう!(英・和):似た意味を持つ語の使い分けを解説 表現メモ:(英・和)見出し語と関連する語句を紹介 Let’s try!:(英和)料理や買物の場面で実際に使える表現を紹介 ミニ絵辞典:(和英)場面ごとによく使う表現を絵とともに紹介 | ここがポイント!(英・和):単語の使い方や文法を解説||
付録(巻末) | 英文のつくり方(和英) 不規則動詞・助動詞の変化表(英・和) 不規則形容詞・副詞の変化表(英・和) | 辞書を使いこなすための文法(英和)||
その他 | ・デジタル辞書(2025年春運用開始予定) ・見出語音声 あり |
中身をのぞいてみよう
豊富なイラスト・写真
辞書をめくっていてまず感じるのがイラスト・写真が多くて嬉しいなぁということです。
外箱の帯の部分にも書いてありますが、写真とイラストを併せて約2,050点が掲載されているとのこと。
辞書自体が英和・和英を併せて約1,500ページですので、平均すると1ページに1つは必ずイラスト又は写真が掲載されていることになりますね!
実際にこちらの辞書をめくってみると、2,3ページに1度は必ずイラスト・写真が掲載されています。
中学生ですと、まだまだ勉強は苦しく、つまらないものと感じてしまうことが多いかなと思いますが、写真などが多いだけでもその感情が少しは薄れていきますよね。
とてもめくっていて楽しい辞書です!
見やすい見出し語
こちらの辞書の見出し語は「最重要語」「重要語」「基本語」「一般語」の4種類に分けられています。
最重要語、重要語、基本語が赤色の文字と*マークの数で区別され、一般語が紺色の文字になっているのですが、この見出し語が非常に見やすいです。
特に一般語が紺色になっているというところが高評価!
多くの辞書ではあまり頻度の高くない用語の見出しと事例、例文がともに黒色などになっていて、非常の見分けづらいなぁと感じる場合が正直あります。
ところがこちらの辞書は見出し語が紺色になっているおかげで、見出し語を見失うことがほぼありません!
掲載されている単語がそこまで多くないため、一般的な辞書に比べて表記にもゆとりがあるといった事情もあると思いますが、見出し語は非常に見やすくなっています。
ちなみに和英辞典の方も重要語と一般語の2種類に分けられ、それぞれ赤色と紺色に分けられているので、こちらも非常に見やすくなっています!!
囲み記事が面白い
今の辞書には当たり前のように様々な囲み記事が掲載されています。
こちらの辞書も例外なく充実した記事がたくさん掲載されており、非常に勉強になります。
しかも全ての囲み記事についての目次もあり、それを眺めているだけでも「ここには何が書いてあるのだろう?」と興味を引く内容が盛りだくさんです。
私がこちらの辞書で囲み記事を読んだ中でこれは知らなかった、タメになった、しかも面白いと感じたものの1つにbreakfast(朝食)の解説があります。
何も考えずにbreakfast=朝食と漠然と覚えていたのですが、これにもちゃんとした意味があったんですね!
fastには「断食」という意味があるそうで、【昨日の夜ご飯後からつづいているfast(断食)を破る】というのが由来だそうです。
知っていました??
私は初めて知りました。
しかもこの囲み記事のタイトルが【「断食」を「破る」?】となっているのです。
内容を知らなかったら、一体何が書いてあるのだろう??と思わず気になってしまいますよね!
こんな魅力的な囲み記事が幾つも出ているので、読んでいて楽しい。
中学生向けの辞書だと甘く見てはいけませんね!
文法解説も抜かりなし!
英語と英文法は切っても切り離せない関係ですよね。
こちらの辞書はその点も安心の内容です。
まず英和辞典と和英辞典の巻末にそれぞれ「辞書を使いこなすための文法」、「英文のつくり方」という特集があります。
ここで文法用語や基本的な英文の構造を学ぶことが可能です。
そして、囲み記事の1つである「ここがポイント!」の中では、見出し語にちなんだ文法項目をしっかりと学習することが出来ます。
例えばthatという単語のところには関係代名詞のことや同格のthatについての解説などがあり、同じthatでもこんな違いがあるのかということが学べてしまいます。
しばらく英語から離れている人などにも目からウロコの内容ですよね。
英和と和英にそれぞれ「ここがポイント!」が掲載されているので、これを読むだけでもかなり勉強になること間違いなしです。
和英辞典も最先端
和英辞典のはしがきにはこのような記載があります。
授業や課題で中学生が「言いたかったけれど言えなかった表現」を集め、そのデータを分析して用例に採用しました。
おそらく時代の流れとともに中学生が表現したい内容も変わってきていると思うので、これはタメになり、実用的な用例がたくさん載っていること間違いナシです。
実際に和英辞典を見て、例文の日本語と英語を見てみると「何となく書けそうだな」と思うものが多いのですが、何もない所からこの例文が思い浮かぶかと言われるとかなり怪しいです。
おそらく大人で英語の勉強をしている人でも、中学和英の例文を書いてみてと言われてスラスラ書ける人は少ないのではないでしょうか。
もちろんそれなりのレベルの人は問題ないと思いますが、和文英訳しようと思ったらバカに出来ないレベルだと思いますよー。
また巻頭特集の中の1つに「メールでよく使う略語」というのが出ていまして、これも最新かつ勉強になる、使ってみたいと思う者が満載です。
IDK、FYI、AFAIK
どうです?分かりますか??
I don’t know.
for your information(参考までに)
as far as I know(私の知る限りでは)
の略語だそうです。
なるほどなぁと思わずうなってしまいますね!私がこれまで触れたことがある略語と言えば、ASAPくらいでしょうか。
英語の勉強も常に更新を重ねてバージョンアップしていかないといけないんだなぁと考えされられてしまします(笑)
話が少し脱線してしまいましたが、厳選された用例が文の形でたくさん掲載されていますので、発信力を鍛える意味でも和英辞典もぜひセットで活用していきたいですね!
デジタル辞書(予定)
こちらの辞書の購入者は2025年の春ころから「デジタル辞書」が使えるようになるそうです。
その名のとおり、紙辞書の内容がウェブ上で見られるようになる予定ですので、外出時はウェブで、家の勉強では紙辞書を使用というように使い分けることができそうです。
現時点では見出し語の音声データ、巻頭特集等の一部については音声が確認できるようになっておりますが、デジタル辞書が公開されるのはもう少し先になりそうです。
なお、試しに見出し語の音声を確認してみようかなと思ったのですが、私の携帯のパワーが足りないのか、接続状況がよくなかったのか、現時点ではこちらの使用感等を確認することは出来ませんでした。
中学生用の英語辞書では見出し語の音声を確認できるのは当たり前になってきていますね。
一応、辞書内ではカタカナによる発音表記もありますので何となくの読み方は分かりますが、音声で確認できるに越したことはありませんので、少しでも早く対応してもらえると嬉しいですね!
どんな人にオススメ?
辞書のタイトルに「中学」と入っているように、基本的には中学生が対象となっています。
はしがきの中でも「高校受験には充分な量です」との記載がありますので、中学生がメインターゲットです。
しかし、初版の「プログレッシブ中学英和・和英辞典」については、その内容をベースにした「大人のための英語学習辞典」という辞書も発売されています。
ですので、英語が苦手な高校1年生や英語から遠ざかってしまっていた大人の方にとっても非常に有用な辞書だと思います。
「ジュニアアンカー英和・和英辞典」などにも言えることですが、ある程度の英語の勉強をしている方でも、おそらくこの辞書の中には知らない単語や情報が幾つかはあるはずなので、それをしっかりと潰していくといった作業をしてみてもいいかもしれませんね!
あくまでメインターゲットは中学生の方になりますので、高校受験等に向けてこちらの辞書の内容をどんどん吸収していくことができれば、英語が得意科目になり、校内でもかなりと英語ツウになれること間違いなしですよ!
ただし、外観について記載したことの繰り返しになってしまいますが、外箱、辞書デザイン、側面とかなりカワイイ雰囲気が出ている辞書になります。
そのため、息子さん、男のお孫さん、甥っ子さんなどに「英語の辞書」をプレゼントしたいとお考えの方はぜひ書店で手に取って確かめてみることをお勧めします。
私の勝手な思い込みですが、デザインとしては女性に受け入れられる可能性は高く、中学2、3年生くらいの男の子の場合は嫌がることもあるかなと感じています。
おわりに
小学館さんから発刊されている「プログレッシブ 中学英和・和英辞典 第2版」を紹介しました。
中学生向けの英和・和英辞典は本当に競争が激しい分野なんだろうなぁと感じてしまうくらいに、各社の辞書が充実していることを改めて痛感しました。
これまでの2色刷りからフルカラーになったことで、こちらの辞書の人気もかなり高まっていくのではないかと予想しています。
見やすさ、使いやすさ、コンパクトさを兼ね備えた辞書ですので、かなりオススメです。
可愛らしいデザインさえ気にならなければ、ぜひ本屋さんでチェックしてみてください!!
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