辞書紹介 エースクラウン英和辞典 第4版

目次

はじめに

三省堂さんから2025年10月に発売された「エースクラウン英和辞典 第4版」を紹介します。

ちなみに辞書の奥付に記載されている発行日は2026年1月となっています。

第3版の発行が2020年1月ですので、約6年ぶりの改訂ですね。

第3版を基にしたエースクラウン英和辞典のお勧めポイントなどはこちらの記事にも紹介していますので、ぜひご覧ください。

英語学習の基礎を築くのに欠かせない辞書の1つといえるエースクラウンの魅力が少しでも伝わればいいなと思います。

辞書の外観

外箱デザイン
辞書デザイン
見開きイメージ

写真の撮り方、撮影した部屋の明るさなどの関係で正確な辞書の色が伝わっていないかもしれません。

外箱も辞書本体も写真ですと「鮮やかな赤色」に見えますが、実際はもう少し落ち着いた「ワインレッド」という表現が、今回の第4版にはピッタリです。

実際に第3版と第4版を比較していただくと、色の違いが多少は分かりやすいと思います。
左が第3版、右が第4版です。

どうでしょうか。

印字されている辞書名も「銀色の細字」から「金色の太字」に変わっています。

よりプレミアムな王冠にふさわしい雰囲気が出ていますよね!

辞書の概要

辞書名称エースクラウン英和辞典 第4版
見出数約51,000項目監修・編者投野 由紀夫
出版社三省堂価格(税込)3,300円
発刊年月2026年1月総ページ数1,803ページ
タテ×ヨコ18.6cm×12.7cm厚さ4.0cm
重さ741g色使い黒・赤の2色
構成1ページに2列1列の文字数(日本語)約21文字
カタカナ発音あり巻頭特集学習ページ
表紙の裏面オンライン辞書
ことまな+の案内
背表紙の裏面英語圏地図
特徴・特集
(辞書内にある
 お役立ち情報等)
フォーカスページ:重要な語には1~2ページを使用して解説あり
CAN-DO Tips:発信を意識した解説
使えるコーパスフレーズ:NEW よく使うフレーズを頻度順に紹介
コーパスこの順番でマスター:NEW 重要な成句を覚えるべき順番に紹介
ネイティブはこういう!:NEW 日常会話で使われる自然な表現を紹介
ワンポイント・アドバイス:NEW 見出し語を使いこなすためのポイント
チャンクでおぼえよう!:英語をカタマリ(フレーズ)で覚える
共通イメージ:NEW 見出し語の基本となる意味をイメージで紹介
意味マップ:NEW 語義が多い語の全体像を効率的に把握
コロケーション:見出し語と一緒に使われる語の紹介
使い方:見出し語の使い方について用法を例示
関連語:見出し語と同類、関連する語句の紹介
どっち:類義語の使い分け
似ている単語:類義語の使い分け
まぎらわしい語:区別のしづらい語について解説
注意:文法・語法に関する注意事項
発音に注意:NEW 発音に注意が必要な語の解説
参考:見出し語の持つイメージ、有益な情報
覚えよう:似た意味の語の違いなどを解説
文法、なぜ:英語に関するなぜ?を解説
イメージ、出典・由来、文化:NEW 有益な情報、語の持つイメージを紹介
付録(巻末)和英小辞典(24,000項目) CAN-DO別使える語彙・表現集 不規則動詞表
その他・オンライン辞書ことまな+は2026年4月1日サービス開始予定

中身をのぞいてみよう!

第3版と比較してみよう

価格

辞書に限らず、本を買う時、何か物を買う時に真っ先に気になるのは「価格」ですよね。

エースクラウン英和辞典が書店に並んだ2025年10月は食料品をはじめ、様々な物の値段が上がりました。

というわけで、エースクラウン英和辞典も若干の値上げとなっております。

第3版では税込みで3,080円でしたが、第4版は税込み3,300円と220円増です。

6年前の価格から比べての増加ですから、昨今の物価高騰に比べれば許容範囲ですよね。

もちろん安いに越したことはないですが。

しかし、様々な工夫・改良が加えられている中での微増ということで、気にしないでいきましょう!(笑)

単語のランキング

第4版の大きな変更点はこの「単語のランキング」かもしれません。

これまでは「中高ロゴ」として、中学生で学ぶべき単語1,200項目には「中」の表記、高校生で学ぶべき単語1,900項目には「高」のマークが表記されていました。

第4版ではそこに小学生で学ぶべき項目として「小」のマークが加わりました!

時代を感じますねー。

小さい時から英語に触れる機会が増えてきているというのは、うらやましい限りです。

第4版では「小」マークが約600項目、「中」マークが約700項目、「高」マークが約2,000語につけられているそうです。

合計してみても3,100→3,300と覚えなければいけない単語が増えていますね。

現役の中学生、高校生がエースクラウン英和辞典を使っている時に、このマークがあると勉強の目安になるので、ありがたい限りです。

特に中学生が「小」のマーク、高校生が「中」のマークのある語を取りこぼしていたら、ソッコーで覚えるようにしてくださいね!

単語のランキング2

また、第3版にも掲載されているのですが、CFERという基準に基づいた単語のレベルも引き続き掲載されています。

CFERについて、エースクラウン英和辞典に記載されている説明を引用させていただきます。

CFER(ヨーロッパ言語共通参照枠)はCommon European Framework of Reference for Languageの略で、現在ヨーロッパだけでなく世界中に影響力を持つ外国語能力の参照枠です。2001年に初版が公開されており、最新の2020年版では、言語使用者(user)のレベルを
Pre-A1レベル(入門・初級ユーザー)
A1レベル
A2レベル(基礎レベルのユーザー)
B1レベル
B2レベル(自立したユーザー)
C1レベル
C2レベル(堪能なユーザー)
の計7つのレベルに分けて能力段階を設定しています。

さらにこのCFERを日本の英語教育に適用するために開発されたCFER-Jをもとに、エースクラウン英和辞典にはA1~B2までのランクが表示されるようになっています。

ちなみにこのCFER-Jの研究開発責任者は、エースクラウン英和辞典の編者でもある投野由紀夫先生です!

このCFER-Jによるランク付けはこれまでのエースクラウン英和辞典でも行われていたのですが、今回の第4版で何が変わったかと申しますと、重要な単語においては語義ごとにもこのランクが表示されるようになりました。

例えば、afterという単語について、これまでは単語自体に「A1」の表示がされているのみだったのですが、それに加えて「…のあとに」という語義には「A1」、「…したあとで」という語義には「B1」というようにより細かい表示もされています。

色々な語義がある場合、あれもこれもと思ってしまいますが、とりあえずランクが優しめのものからしっかりおさえていこうなど、勉強の指標がより明確になるのはありがたいですね。

フォーカスページの増加

エースクラウン英和辞典の大きな特徴の1つにフォーカスページがあります。

これはチョー基本かつチョー重要な語句については、1~2ページにわたってその語義、イメージ図、コーパスなどによって解説されている特集(コラム)になります。

以下は第3版の内容になりますが、三省堂さんHPからの抜粋したフォーカスページの一例です。
第4版でもほとんど同じ内容です。(単語ランク「中」の表示が、第4版では「小」になっています)

フォーカスページは単語のイメージ図、イラストなどが多いので使い方に悩む前置詞やたくさんの意味をもつ動詞などを理解するのに非常に有益です。

このフォーカスページが設けられている単語が第3版では56語であったのに対し、第4版では67語に増加しています。

具体的には、leave, mean, out, run, seem, see, set, show, so, try, turn, workの11語が追加されています。

また、これまでのフォーカスページにも細かな修正が加えられている箇所もあります。

例えばoverという単語のイメージ図の一部なのですが、

「支配して」というイメージがより分かりやすいように、車をコントロール(支配)しているイラストから、女王が国を統治(支配)しているイメージ図に変更されています。

確かに「支配」というイメージだけを考えると、国を支配している方がイメージしやすいですね。「車を支配する」という表現は日本人にはあまり馴染みがありませんので。

フォーカスページで取り上げられている語はどれも重要なものばかりで、でこれからの英語学習にも何度も何度も登場する語ですので、最新のフォーカスページでしっかりとイメージを構築しましょう!

新たに掲載された語

収録項目数は第3版、第4版ともに約51,000項目となっていますが、比較的最近話題になった語を調べてみたところ、第4版から掲載されている語をいくつか見つけることができました。

例えば、COVID-19、Instagram、Instagrammable など。

パっと眺めた中で見つけたのはまだこれだけなのですが、きっと他にもあるはずですので、見つけ次第、ここに書き足していきたいと思います。

新たに加えられた語、削除された語などはそこまで多くないのかもしれませんが、それでも更新されているということが分かるだけでも嬉しいですね!

巻頭・巻末特集

第3版の巻頭特集はピクチャーページということで、豊富なイラストと英単語が紹介されていました。いわゆる、ピクチャーディクショナリですね。

第4版の巻頭特集は、ピクチャーディクショナリの内容がファッションやスポーツに限定される代わりに「アウトプットのための英語の文の作り方マニュアル」「楽しく世界の人とsocial mediaで友達になろう」という内容が追加されました。

どちらもページ数はそこまで多くありませんが、「文の作り方マニュアル」では非常に重要な動詞20個が掲載されており、その20個の動詞は辞書で調べておこうかなと思わせてくれます。

また、SNSについてはこの記事の冒頭でも少し触れましたがよく使われる略語などが載っており、私も知らない表現がいくつもありましたので、知っておいて損はない、これから活かしていくことのできる内容となっています。

一方、巻末の特集ですが第3版は「基礎英文法」が掲載されていましたが、第4版では「使える語彙・表現集」と内容が変更されました。

これは正直、どちらもよい特集ですので第4版には「基礎英文法」も残してほしかったですねー。

第4版で掲載の「使える語彙・表現集」は主に日常生活で自分から何かを発信したい場合のための表現集といえます。例えば、「~したいです」「~をいただけますか」など基本的な表現集かつ「~」に入るべき語彙を学ぶことが出来ます。

英語が好きな人、ずっと学んでいる人といった方には基本中の基本ともいえる表現ばかりですので、目新しさはないかもしれませんが、この辞書をメインで使うであろう中学生・高校生にはぜひ活用して、頭に叩き込んでほしい内容です。

変わっていない点

第3版と比べて変わっていない点もあります。

以下の2点は第3版の紹介記事の内容をそのままコピーしておりますので、ご参考まで!

編者は 投野由紀夫 先生

エースクラウン英和辞典の編者は「投野由紀夫 トウノユキオ」先生です。

以前にNHKで英語学習の先生もされていたので、名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

投野先生はコーパス(言語に関するビッグデータを用いて様々な研究をすること)で非常に有名な先生です。

そのため、エースクラウン英和辞典にも先生の研究の成果がふんだんに盛り込まれていますし、先ほど紹介した「フォーカスページ」の中には、【使えるコーパスフレーズ】という解説もあります。

コーパスのデータの中には一緒によく使われる単語のデータなどもきっとあると思うので、コロケーションや関連語といった特集記事も実際によく使われるものなどが抽出されているものと思われます。

どうせ勉強するならよく使われる表現を学びたいですよね!

また、投野先生はコーパスをもとにした「チャンクで英単語」という本も3冊(Basic, Standard, Advanced)発行されています。

チャンクとは英単語が2つ以上の組み合わせとなっているもので、簡単に言えばフレーズです。

英単語を覚える際には単語1つを無機質に覚えるよりも、フレーズで覚えた方が覚えやすかったり、実際にその単語を使おうと思った時はフレーズでそのまま使えたりしますので、いい覚え方ですよね!

TOEICの語彙力を高めるために有名な【金のフレーズ】や大学受験で有名な【システム英単語】などもフレーズで覚える本ですから、それが辞書の中にもふんだんに盛り込まれているのは大変ありがたいことです。

エースクラウン英和辞典の中には「チャンクでおぼえよう!」という特集もあり、これは数は多くないものの主要な単語19個について、覚えておくべきフレーズが掲載されています。

大量の英語に関するデータを操る先生が抽出したフレーズですので、これもぜひ抑えておくべき内容です。

単語表記にも工夫が!

エースクラウン英和辞典の見出し語を見てみると、スペル表記で所々に文字が薄くなっている箇所があります。

こちらの画像において、rhymeの「h」とrhythmの「h」の文字が薄くなっているのが分かると思います。

お察しのとおり、これは「この音は発音しないよ!」ということを示しています。

これ、地味な工夫かもしれませんが、いざ勉強しているととてもありがたいんですよね!

というのも、普段の勉強だとついつい単語の意味ばかりに目が行ってしまって、発音をチェックすることを忘れてしまったり、そもそも見ていないなんて場合もあります。

でも、見出し語で文字が薄くなっていれば「おや?」と思いますよね!

手元にある他の辞書をザっと見てみましたが、同じように文字の濃淡で発音の有無を示しているものは、同じ三省堂さんから発売されている「ジュニアクラウン中学英和・和英辞典」と「ビーコン英和辞典」しか見当たりませんでした。

この表記は嬉しい工夫ですね。

どんな人にオススメ?

第3版の紹介記事では、中学生・高校生をメインに、幅広い英語学習者が活用可能な辞書ですと紹介しました。

それは全く変わっていないのですが、フォーカスページがより充実したので、英語の基礎、核心、コアをおさえておきたいという方にもぜひオススメです。

ちなみに第4版のまえがきでは、次のように紹介されています。

苦手な英語を克服したい、英語を使って「できること」を増やしたい、そんなすべての人に「エースクラウン英和辞典第4版」をお届けします!

「エースクラウン英和辞典第4版」は、英語があまり得意でないというあなたにとって、きっと強力な味方になってくれるでしょう。健闘を祈ります!

中学生や高校生など、学生か学生ではないかといった区別はされていませんね!

英語があまり得意でない人の助けになりたいという思いが伝わってくるまえがきです。

だからこそ、基礎を徹底的に大切にしている辞書と言えるのではないでしょうか。

英語を自分の中でより強固なものにしていきたいという方はぜひ手に取って、ボロボロになるまで使い倒しましょう!

おわりに

三省堂さんから発刊されている「エースクラウン英和辞典 第4版」を紹介しました。

第3版では小型版というのが通常版発刊の1年後に発売されています。

私は普段は小型版を使用しているので、ぜひ第4版の小型版もお願いしたいところです。

また、物書堂の辞書アプリにも第3版が収録されているのですが、これは割と最近のことなので、第4版が追加されるかどうかは何とも言えないですね。

ぜひお願いしたいと思います!

もしいま手元に英和辞典が1冊もないという方は、久しぶりに辞書を購入してみてはいかがでしょうか。

おすすめですよ!

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