はじめに
東京書籍さんから発刊されている「アドバンストフェイバリット英和辞典 初版」を紹介します。
そのまま訳すと「上級お気に入り英和辞典」でしょうか(笑)
全体的に渋くて硬派な感じの雰囲気をプンプンと感じる1冊。
辞書の外観
外箱も黒をベースとしていて、渋いですよねー。
辞書デザインも「The 辞書」と感じさせる、濃い茶色に金色の文字。
勉強するのに余計なモノはいらねーぜ!!という雰囲気を存分に醸し出しています。
辞書の概要
辞書名称 | アドバンストフェイバリット英和辞典 初版 | ||
見出数 | 約100,000項目 | 監修・編者 | 浅野 博ほか |
出版社 | 東京書籍 | 価格(税込) | 3,410円 |
発刊年月 | 2002年12月 | 総ページ数 | 2,190ページ |
タテ×ヨコ | 18.6cm×13.7cm | 厚さ | 4.5cm |
重さ | 917g | 色使い | 黒・赤の2色 |
構成 | 1ページに2列 | 1列の文字数(日本語) | 約26文字 |
カタカナ発音 | なし | 巻頭特集 | なし |
表紙の裏面 | 世界地図 | 背表紙の裏面 | 英語圏の地図 |
(辞書内にある お役立ち情報等) | 特徴・特集文化:英米の文化について解説されている 語形成:接頭語、接尾語別に単語を紹介 その他には分野別の単語一覧の記事がある。 | イメージ:主要な語のイメージをイラストで表現||
付録(巻末) | 英文法の要点 度量衡換算表 主な不規則動詞変化表 | ||
その他 | なし |
中身をのぞいてみよう!
上級英和辞典の1つ
収録項目数が約10万前後の辞書は一般的に「上級英和辞典」と言われていまして、有名どころではジーニアス英和辞典、ウィズダム英和辞典、オーレックス英和辞典、コンパスローズ英和辞典などがあります。
今回の【アドバンストフェイバリット英和辞典】も上級英和辞典の1つであるものの、他の辞書と比べると残念ながらあまり有名ではないのかもしれません。
確かに発刊が2002年とかなり前ですので、最新の用語(特にIT関連など)は記載されていないという弱点はあります。
例えばsmartphone(スマートフォン)といった単語も記載されていません。
そういったデメリットはあるものの、私はこの辞書が結構好きなのです。
その理由の1つが、まずこの辞書を開いたところに書かれている「この辞書を使われる方々へ」という文章を読むと、学習意欲がモリモリと湧いてくるからです。
2つほど紹介させてください。
文法は単に規則の暗記にすぎないと感じて、興味を示さない学習者が多いのですが、暗記するだけでは何事もおもしろくはなりません。覚えたことを活用して、役に立ったと実感することがあると、「覚えておいてよかった」という喜びに変わります。
アドバンストフェイバリット英和辞典 初版 この辞書を使われる方々へ
英語学習というマラソンでは、走ることだけに夢中になっても勝てません。周囲の景色を見たり、応援の声を聴いたり、好きなドリンクを飲んだりと、なるべく余裕をもつことが必要です。この辞書はそういう目的に役立つように編集されていますから、きっと皆さんの英語学習の能率が上がることと確信します。
アドバンストフェイバリット英和辞典 初版 この辞書を使われる方々へ
いかがでしょうか?
特に2つ目の「マラソン」に例えられている話は、「そうだよなー」「焦らず地道に頑張ろう!」と思わせてくれ、諦めずに頑張ろう!!という気持ちにさせてくれます。
そうした思いが込められた辞書なのです。
囲み記事の目次はないけど
近年の辞書は様々な囲み記事があり、その目次もついているので気になる情報にはアクセスしやすいという特徴があります。
こちらの辞書は充実した囲み記事があるものの目次がついているのは「文化」「語形成」「用語」という3つのみです。
特に「文化」の記事は充実していて、全部で190項目が掲載されています。
しかしそれだけに限らず語法、類語、ことわざといった囲み記事もありますので、掲載されている内容は他の上級英和辞典と比べても遜色ないのでご安心を!
それらの目次がないというのはちょっと残念ですけどね。
巻末「英文法の要点」もぜひ読んでおきたい!
巻末の特集記事の1つに「英文法の要点」があります。
ここにも英語を勉強している人の気持ちを分かってくれていると感じられる記載がありましたので、引用させていただきます。
文法はコトバの規則です。スポーツの「ルール」にあたります。規則というのはおもしろくないのがふつうです。(中略)この「英文法の要点」は、英文法の規則をすべて述べているものではありませんが、辞書を活用しながら英語の勉強を続けていくうえで必要となる基本的な文法用語の意味を解説してあります。この「英文法の要点」を時々読み直して記憶を新たにし、厚い文法書は必要に応じて辞書のように特定の項目を調べるために使うとよいでしょう。
このように「文法はおもしろくない」と言い切ってもらえるとスッキリするところもありますよね!
本辞書の「英文法の要点」は主に文法用語の解説が中心になっていると言えるかもしれません。
逆に言えば辞書を活用するうえで必要最低限な解説がされていますので、これを時々確認しつつ、こちらの辞書をガッツリと活用していきましょう。
色使いがシンプルで見やすい
こちらの辞書は赤色と黒色の2色刷りとなっていますが、赤色も非常に控えめに使われています。
赤色が使われているのは単語の重要度を表すとき、囲み記事であることを表す場合、語法の注記などに限られていますので、あまりゴチャゴチャしておらずスッキリとした表示がされています。
重要な箇所が色を変えて表示されているのはありがたいことですが、あまりに色使いが激しいと逆に見づらいときもありますよね。
本書の場合はそうした心配もなく、じっくりと安心して辞書を楽しむことが可能です。
どんな人にオススメ?
書籍の外箱についている帯には「最新・最強の上級英和」、「高校生から社会人まで〜(以下略)」といった記載がありますので、高校生以上の方が対象者として想定されています。
しかし、発刊年月があまり新しくないこと、昨今の受験で重視されるようになってきている英作文に関する特集などはあまり無いことを考えると、受験生というよりは英語をやりなおす大人の方向けかなと感じます。
これまでの紹介内容から感じ取れるかと思いますが、見た目通りに比較的硬派な辞書です。
だからこそじっくり英語をやるぞーという人におすすめです。
おわりに
東京書籍さんから発刊されている「アドバンストフェイバリット英和辞典 初版」を紹介しました。
発刊年月が古いと何回か書いてしまいましたが、それでもまだ書店の店頭で購入可能ということはそれだけ需要もあるということですよね。
新しい辞書の方が掲載されている見出し語が見直されたり、様々な工夫がされていることは否めませんが、古いものには古いものなりの良さもあります。
上級英和辞典の中では比較的マイナーな本書ではありますが、ぜひ一度手にとって見てはいかがでしょうか。
見やすさ、使いやすさなどオススメですよ!!
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