はじめに
旺文社さんから発刊されている「マイスタディ 英和・和英辞典」を紹介します。
2011年11月に発刊され、その後特に改訂版などが出たわけでもないので、かなり古い部類の辞書ですね。
本屋さんで見かける機会もだいぶ減ってきていると感じています。
しかーし、それでもまだ売られているのですから、使いやすい特徴などもあるはず。
そのあたりを読み解いていきたいと思います!!
辞書の外観



外装、辞書本体ともに緑色を基調とした辞書になっています。
「英和・和英辞典」はクラウン、ジュニアアンカーと緑色を基調としたものが多いですね。
おそらくですが、英和と和英をそれぞれ赤色、青色という対比で作成している結果、合体させたものは緑色ということになったのかなと思います。
当たっているかは分かりませんが(笑)
この辞書本体の緑色は非常にいい色をしていますよね!
暗すぎず、ちょっと明るめで勉強する気分を盛り上げてくれそう。
個人的にはかなりお気に入りの色です。
一方で中身は緑色がメインで使われることはなく、黒色と赤色の2色刷りです。
2011年発刊なので、まだ「フルカラーが当たり前」という時代ではなかったのでしょう。
今では珍しくなった2色刷りですが、色ペンや蛍光ペンなどで線を引いた場合にはフルカラーで作られたものよりも明らかに目立ちますので、使い方によっては2色刷りの方がいいという方もいるのではないでしょうか。
辞書の概要
辞書名称 | マイスタディ 英和・和英辞典 | ||
見出数 | 英和 約10,000項目 和英 約12,500項目 | 監修・編者 | 金谷 憲 |
出版社 | 旺文社 | 価格(税込) | 3,080円 |
発刊年月 | 2011年11月 | 総ページ数 | 英和 744ページ 和英 679ページ |
タテ×ヨコ | 18.6cm×13.3cm | 厚さ | 3.9cm |
重さ | 786g | 色使い | 黒・赤の2色刷り |
構成 | 1ページに2列 | 1列の文字数(日本語) | 18文字 |
カタカナ発音 | あり | 巻頭特集 | 英和:英会話かんたんミニフレーズ 和英:なし |
表紙の裏面 | 地図(英語圏) | 背表紙の裏面 | 地図(英語が使われている国々) |
(辞書内にある お役立ち情報等) | 特徴・特集どれを使う?(英・和):似ている単語の使い分けを解説 知っ得!(英・和):英語圏の文化等についての解説 日本語≠英語ここが違う!(英・和):日本語と英語で意味が異なる語を解説 類語パネル(英):その名のとおり主要な単語の使い分けを解説 3行日記から始めよう!(和):3行日記をいくつかサンプルで紹介 教えて!Q&A(和):正しい英文の使い方を問題形式で紹介 | こうして使う!(英・和):単語の使い方や表現方法を解説||
付録(巻末) | 文法ナビ 英語のしくみ(英) 英作文のための英文法講座(和) 変化形のつくり方(英・和) 不規則動詞・助動詞の変化表(英・和) | 英語の発音(英)||
その他 | ・マイスタディ英和辞典 引き方ワークブックが付属 ・CD付き版の販売もアリ |
中身をのぞいてみよう
小学5年生から使用可能!
辞書の帯にも「ふりがな付きで小5から使える!」と記載があるとおり、中学生になってから使おうという辞書ではなく、そのちょっと前から先取りが可能です。
たしかに辞書の中を見てみると、空白も多くとってあり、詰め込み感が全くなく見やすいため、小学生でも使いやすい仕様になっています。
辞書には珍しくキャラクター設定もあるんですよ。
コンマ、コロン、エイケンなど全部で6種類のキャラクターがいます。
イラストに出てきたり、コラムでちょっと使われたりとキャラクター達の活躍の場は多くないのですが、辞書内の雰囲気を明るくしてくれているのは確かです。
とっつきやすい作りになっているからこそ、小学5年生から使えるというのも納得ですね。
厳選された収録項目
こちらの辞書の収録項目数は英和が約10,000項目、和英が約12,500項目と他の中学生を対象とした英和・和英辞書と比べると収録数が少なくなっています。
しかし、収録されている項目数が多いから良いというわけでもありません。
大は小を兼ねないのが辞書です。
収録されている項目数が少ない代わりの利点ですが、圧倒的な「見やすさ」です。
2色刷りだから他のフルカラーの辞書と比べると見づらいのでは??と思ってしまいますが、見出し語はかなり大きめの太字となっています。
そして、英検3級~5級に必須の単語は犬のキャラクター「エイケン」が大きく表示されていて、辞書を開いた途端にお願いしなくても目に入ってきてしまいます(笑)
一方で見やすさを追求しているということは、記載されている内容が薄くなってしまっているのでは??という懸念もあるかと思います。
その点について、他の中学生用辞書と比較してみたところ、掲載されている例文などは若干少ないかなと思う所もありますが、大事な意味や使い方についてはほぼ同じように掲載されているので安心してOKです。
掲載されている語数が絞られているので、記載されている単語についてはしっかりと説明しますよ!ということですね。
囲み記事は基本事項が満載
囲み記事(コラム)の種類、数はそこまで多くはありませんが、英語学習の初期に知っておくべきチョー基本的な内容もたくさんありますので、最初の1冊には最適です。
例えば「aの使い方」や「I am の使い方」などです。
これらの表現も突き詰めていけば奥深いものがあるでしょうし、何でもかんでも書いてあるわけではありませんが、基礎的な事項をコンパクトに説明してくれています。
その一方で「アキレスのかかと」や「地図帳はなぜAtlas」というのかなど、英語を勉強していくとどこかで話がでてくるギリシャ神話などについて記載があります。
基本的な事項に触れつつ、英語学習への興味が沸いてくるような作りになっているので、初学者への配慮というのを強く感じる1冊になっていますよ。
巻末特集で文法も確認可能!
英和辞典の巻末には「文法ナビ 英語のしくみ」という特集があり、文型や品詞に関する説明が簡潔に紹介されています。
英語の学習をしていると「あれ?そもそも副詞ってなんだっけ?」「補語って結局なんなんだ!?」なんて思ってしまうことありますよね。
そうした文法用語を中心に、ちょっと迷った時に参照することのできる特集となっています。
和英辞典の巻末には「英作文のための英文法講座」が収録されています。
こちらは英語で文を作る時の超基礎・大前提となる項目を学習することが出来ます。
英語学習をとおして何となく、当たり前のように学んでいたあるいは知識として吸収していたことが、文章で説明されているので、初学者はもちろんのこと、英語のやり直しの際にも「もちろん知っているけれど、なるほどだな~」と思える内容がありますよ!
引き方ワークブック
マイスタディ英和・和英辞典には「引き方ワークブック」という小冊子が付属しています。
こちらも完全に初学者向けの簡単な内容になっており、アルファベットを覚えようというところから、覚えたアルファベットを使って辞書をひいてみようという内容です。
しかし、後半になるにつれ「辞書を引くポイント」、例えば品詞、数えられる名詞か否か、自動詞か他動詞か、発音とアクセントなど段階を踏んで大切なことを認識できる内容となっています。
こうした特集が辞書の中にあるとなかなか見向きもしないという人もいるかもしれませんが、別冊になっていてしかも薄い冊子ですので、これくらいなら「とりあえずやってみようかな!」と思えるところがありがたいですね。
ちなみに記載されている内容の中で私が最も衝撃を受けたのは「アルファベットには正しい筆順はない!」というものでした。
はるか昔にアルファベットの筆順を習った気もしますが、気のせいだったのかなぁ・・・(笑)
気になる点
辞書の内容は本当に素晴らしいと思うのですが、やはり発刊年が気になってしまいます。
英検3級~5級の単語には、それが分かるようにマークも付されているのですが、果たして今もそれが適正な単語につけれているのか、英検のレベルももうちょっと上がっているのではないか??というのは心配ですね。
また、良い点でもあり気になる点でもあるなぁというのが「収録項目数」です。
英語を勉強し始めてしばらくは大丈夫だと思いますが、段々と長く難しい文章などに触れる機会が増えてくると「この辞書には載っていないのかな」という場面が増えてきてしまうでしょう。
しかし、それを辞書のせいにしてはいけません!(笑)
辞書の記載内容がもう少し欲しいなと思った場合には、ぜひ2冊目として別の辞書を購入しましょう。
最後にせっかくの辞書でありながら、第2版の発売などはなく、この辞書自体を書店で見かけることがだいぶ減ってきてしまったことです。
もし気になるという方はamazonで新品が出ていることもあれば、書店によっては「在庫アリ」となっていますので、直接問い合わせをしちゃいましょう!!
どんな人にオススメ?
メインで使用するのは中学生になります。
しかし、一般的な中学生用の英和・和英辞典に比べれば記載内容が厳選され、ページの作りも余裕があり、かつコミカルな作りとなっているので、小学校高学年の方が使用するというのも十分に可能です。
現在の中学生用辞書の主流はフルカラーですので、その点では一線を画す辞書ですが、逆に2色刷りの方が見やすい方もいると思いますので、その場合はぜひ購入を検討してくださいませ。
小学生・中学生用の辞書はほぼフルカラーになっていますが、高校生以上を対象とした辞書ですと2色刷りが未だに主流です。
高校生以上を対象とした辞典の中では「フェイバリット英和辞典」のみがフルカラーとなっており、それ以外は黒色1色か2色刷りとなっています。
そう考えますと、見やすい、見ていて飽きない、興味を引き付けるためにはフルカラーが適しており、使いやすい、実用的なのは2色刷りとも言えるかもしれません。
いずれにしても長く、何度も開きたいと思える辞書が選べるのがベストです。
自分で線を引いたり、マークをつけたりという活用がメインになりそうな場合はマイスタディ英和・和英辞典もお勧めですよ!
おわりに
旺文社さんから発刊されている「マイスタディ 英和・和英辞典」を紹介しました。
旺文社さんからは上級英和辞典として「オーレックス英和辞典」、中級英和辞典として「コアレックス英和辞典」が発刊されていますが、中学生向けの辞書としては「マイスタディ英和・和英辞典」のみが発刊されています。
長い間、改訂されていませんが、昨今の中学生向け辞書はどんどん進化していますのでこれから全く新しい辞書が発売される可能性もありますね。
いずれにしても、今出されているのはこちらの辞書だけですし、本屋さんで見かけることもだいぶ少なくなってきましたので、気になる方は早めに購入することをオススメしますよ!
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