はじめに
旺文社さんから2024年10月に発刊された「オーレックス英和辞典 第3版」を紹介します。
紙の辞書を使用する人はおそらく少なくなってきているであろうこのご時世に嬉しいお知らせですね!
第2版が刊行されたのは2013年ですので、11年ぶりの改訂版となります。
「オーレックス英和辞典 第2版」についての記事はこちらになりますので、よかったら覗いてみてください。
第2版を紹介した時にも記載している内容ですが、この「オーレックス」というのはどういう意味なのでしょうか?
辞書内では特にその説明は無さそうです。
英語表記だと「O-LEX」になるんですね!
まずはこの辞書で「LEX」を検索してみますと、「lexicon」という単語の略語だという説明が出ています。
聞いたことない単語ですが「lexicon」は「辞書、語彙集」という意味だそうです。
これは納得。
まさしく辞書ですからね!
そうなると「O」が何を意味しているのかということですが、辞書で「オー」を調べてみても、それらしい説明は見当たりません。
強いていうなれば「ordinary」を「O」1文字であらわすこともあるにはあるようなのですが、そうなると「O-LEX」は「普通の語彙集」といった感じになってしまいます。
うーん、分からないと思ってインターネットで検索したところ「旺文社」の「O」だという説明もありました。
ヤフー知恵袋の記載だったかな?
結局、正解は分からないままなのですが、私には「O-LEX」がだんだんと「ALL LEX」に見えてきました!
収録語数も多いですし必要なものは網羅している「すべての語彙集」だというメッセージかなと。
そして弟分である辞書の名前は「CORE LEX」ですから、主要なものが選ばれたバージョンということかなと。
あくまで個人的な推測です💦
辞書の外観
オーレックス英和辞典は青色が基調となっています。
これは前回から変わりませんが、ちょっと落ち着いた青色になっていますね!
デザインもより威厳のある雰囲気になった気がします。
また、辞書本体は濃いブルーだったのが全面白色になりました。
外見ではここが非常に大きく変わった点ですね。
ちなみにオーレックス和英辞典は赤色を基調としています。
青色が基調ではありますが、辞書の中身は赤と黒の2色刷りですよ。
辞書の概要
辞書名称 | オーレックス英和辞典 第3版 | ||
見出数 | 約106,000項目 | 監修・編者 | 野村 恵造ほか |
出版社 | 旺文社 | 価格(税込) | 3,960円 |
発刊年月 | 2024年10月 | 総ページ数 | 2,351ページ |
タテ×ヨコ | 18.6cm×13.7cm | 厚さ | 4.7cm |
重さ | 975g | 色使い | 黒・赤の2色 |
構成 | 1ページに2列 | 1列の文字数(日本語) | 約28文字 |
カタカナ発音 | なし | 巻頭特集 | 発音記号表(1ページのみ) |
表紙の裏面 | この辞典の表記・見方 | 背表紙の裏面 | この辞典のコラムの特長 |
(辞書内にある お役立ち情報等) | 特徴・特集Writing Variations:英文作成における的確な表現を解説 NAVI表現コラム:読解等に役立つ定型的な表現などを解説 その他にも囲み記事が多数掲載されていますよ! | PLANET BOARD:英語ネイティブへの調査結果を紹介||
付録(巻末) | 主な不規則動詞変化形一覧 | ||
その他 | ・「旺文社辞典アプリ」が利用可能(要シリアルコード) ・辞書アプリ「物書堂」での販売アリ(ただし第2版、英和和英のセットのみ) ・同時期に発刊された和英辞典は新装版であるため、中身は第2版と同じです。 |
中身をのぞいてみよう!
第2版とのちがい
各単語の意味など細かい点は除きまして、こんな点が変わりましたよ!というのを気づいた範囲でお伝えします。
- 見出項目数が105,000項目から106,000項目へ、1,000項目増加
- お値段が3,630円から3,960円へ、330円の増加
- 総ページ数は2,341ページから2,351ページへ、10ページの増加
- 重さは1,017グラムから975グラムへ、42グラムの減少
- 囲み記事「Writing Variations」が新設
- 購入者はアプリでの使用が可能に。
ザっと見た感じですと、こうした違いがあるようです。
項目数が増えたこと、重さが軽くなったこと、新たな囲み記事が出たこと、アプリの使用が可能となったことは嬉しいですね!
お値段が上がってしまったのは仕方ないですよね。
今は何でも値上がり、値上がりですから。
PLANET BOARD オススメ!
オーレックス英和辞典といえば「プラネットボードですよね!」というくらいに有名な囲み記事です。
プラネットボードってなに??というのはのちほど。(第2版での紹介文を再掲しています)
今回の「オーレックス英和辞典 第3版」では前回と同様に100個のプラネットボートが掲載されています。
およそ3割を入れ替えたということでしたので、第2版と第3版を1つ1つ比較してみました。
第3版のプラネットボードで新たに掲載されたモノの番号は以下のとおりです。
07 08 14 18 26 27 32 44 48 49 50 52 55 56 62 74 79 83 93 97 98 99
以上の22個になります。
また、上記の番号以外でも 17 61 67 80 については質問の意図は変わっていないと思われますが、その表現が変わっているものになります。
それも含めると約26項目が入れ替わっているようですね!
ただし、こちらはプラネットボードの「見出し」のみを比較したもので、詳細な内容を比較したわけではありません。
そのため、もしかしたら細かい内容をみていくと更に変更が加えられている可能性があります。
そうした点は、追って紹介できたらいいなと思っています!
プラネットボードとは??
簡単に説明しますと、例えば「Aという表現とBという表現はどちらが正しいですか?どちらを多用しますか?」といった質問をネイティブスピーカー約100人に投げかけ、その結果を集計したものになります。
こちらの辞書にも記載してあることなのですが、現在では多用される表現等の調査はコーパス(英語のデータベース)を基に行うものが一般的です。
しかしながら、コーパス中にはあまり出てこない表現でも使用可能な表現などもあるため、ネイティブスピーカーへの調査を実施しているそうです。
このプラネットボードは英語の勉強をしていると1度は見たことがある表現などについての質問が多いため、私は「この表現習ったけど、ホントに使うんだ!」とか「こうやって表現した方がいいのか!」という学びが非常に多いなと感じました。
実際にインターネットやSNSなどを見ていても、英語の専門家の方がプラネットボードの素晴らしさから「オススメの辞書はオーレックスです!」と紹介されているのを何度も見たことがあります。
ネイティブスピーカーの生の声なので、これを学んで・覚えて・活用すれば間違いナシ!!!
【新設】Writing Variations
今回から新設されたコラム(囲み記事)になります。
最近は英語を使った発信力が問われる傾向もあり、英作文も以前よりは重視されていますよね。
そうした時代の要望にも応える形でより良い表現を教えてくれる「Writing Variations」が新設されました。
掲載されている記事数は20個とそこまで多くはありませんが、内容は読んでいて勉強になるものばかりです。
例えば英語で「だから、それで」と言おうとすると「so」という単語がすぐに思いつくのではないでしょうか。
soだけではなく、こうした表現もありますよ!というのを教えてくれるのが「Writing Variations」の記事です。
そこまで数も多くないのでぜひ拾い読みしてみてくださいね。
目次もあるのですぐに探せます。
映画のセリフ等も紹介
第2版の紹介記事でもお伝えしたのが「Behind the Scenes」という囲み記事です。
どういた囲み記事かは後ほどお伝えしますが、今回の第3版ではこの囲み記事にも目次がつきました!
これは本当にありがたい!!!
第2版では目次が無かったので辞書をめくって探すしかなかったんですよね💦
(物書堂さんのアプリでは拾い読み可能です)
全部で102項目の掲載がありますので、これも拾い読みをオススメしちゃいます。
比較してみると若干内容も加わっているようですので、ぜひ生の英語を堪能してください。
Behind the Scenesとは?
数ある辞書の中でもドラマや映画のセリフ等やそれにまつわるエピソードを紹介してくれるものは、ゼロではありませんが数は少ないです。
オーレックス英和辞典は掲載されている数は多くないものの「Behind the Scenes」という囲み記事で91項目の映画のセリフ等が紹介されています。
映画等のセリフだけでなく、社会的な出来事の中で生まれた言葉なども取り上げられています。
内容を見てみますと、ネイティブの方は普段の生活をとおして当たり前のように知っているのだろうなーと思わせてくれるフレーズとその説明があり、読んでいるだけでも楽しいですよ。
日本でいうところの「今でしょ!」とか「ダメだ、こりゃ」といったフレーズの説明がなされているイメージです。
その他の囲み記事(コラム)
1つ1つの囲み記事(コラム)の数は多くないのですが、読んでいて楽しい内容の特集が幾つもあります。
- NAVI表現コラム
- 英語の真相
- メタファーの森
- Boost Your Brain!
それぞれを非常に簡単にではありますが、紹介しますね!
Navi表現コラム
文章や会話での流れを把握する上で重要な表現が解説されています。
英文読解や英作文において注目すべき、活用すべき表現が12項目に分けて詳しく説明されていますよ。
例えば「例を示す」ときにはどんな表現を使うのか、「逆説を表す」ときにはどのような単語を使い、いくつか候補のある単語をどのように使い分けるのかなどといった記載があります。
英語の真相
掲載されている項目数は21項目と多くはありませんが、コミュニケーションを図る上で犯しがちな過ちとより適切な表現が掲載されています。
話している相手に「よかったじゃん、おめでとう!」という意味を込めて「That’s good!」と言ってしまいがちですが、それではちゃんと伝わっていませんよといったことが学べます。
メタファーの森
メタファーというのは辞書内の解説を引用すると
抽象的な物事をより具体的で理解しやすい他の物事に「見立てる」こと
とされています。
これだけだと「何のこと?」と思ってしまいますね。
例えば「hope(希望)」という抽象的な物事は「光」に見立てられるとの記載があります。
そして、それに該当する英文が幾つも紹介されています。
確かに「明るい希望」というように、希望という単語には光にまつわる表現を用いたりしますね!
こうした考え方が20項目紹介されています。
Boost Your Brain!
英語学習の枠を超えた国語辞典的な要素なのではないかと思ってしまうのですが、読んでいて「教養としても勉強になるなー」と感じさせてくれるのがこのコラムです。
例えば「culture 文化」と「civilization 文明」の違いなど。
英文を読んだり、受験、資格試験などでもたまに出てきそうな概念などの背景を知っておくのも非常に勉強になりますよね!
物書堂アプリは第2版です
物書堂さんのアプリは英和・和英がセットになっているものですが、現時点ではどちらも「第2版」が販売されているので、「第3版」をご希望の方は間違えて購入しないように注意してくださいね!
旺文社のアプリ版について
辞書を購入すると最後のページにシリアルナンバーがついておりまして「旺文社辞典アプリ」をインストールすることで、オーレックス英和辞典第3版を持ち歩くことが出来てしまいます!!
しかし、何度か試したもののまだ実装されていないようですのでリリースされたらその使用感などもお伝えしていきたいと考えています。
よく見たら「2025年春リリース予定」との記載がありました💦
どんな人にオススメ?
上級英和辞典という位置づけで、収録項目数も多いので中学生以下の方には少し難しいかもしれません。
囲み記事(コラム)で取り上げられている項目も大人が読んでこそちょうどいいと感じる内容もありますので、基本的には高校生以上の方に推奨です。
一方で「プラネットボード」などの内容は本当に素晴らしいですし、新たに追加された英作文用の「Wrting Variations」などは中学生の方が読んでも勉強になる部分があると思うんですよねぇ。
しかも出来立てホヤホヤ、2024年10月時点では最新の紙辞書です!
学生の皆さんは、ぜひご両親に頼み込んで「オーレックス英和辞典 第3版」もゲットしちゃいましょう!!
おわりに
旺文社さんから発刊されている「オーレックス英和辞典 第3版」を紹介しました。
第2版が発刊されたのが2013年ですので、約11年ぶりの改訂ですので第2版を使いこなしていた方はぜひ買い増して、違いを堪能してください。
まだ使用したことが無いという方は、豊富な囲み記事を読んでいるだけでも楽しいので本当にお勧めです。
お値段は約4,000円と安くはない買い物ですが、パラパラとめくって気になるところを読むだけでもお値段を上回る価値がありますよー。
私もこれから改めてじっくり読んでみたいと思います!
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